【だんだん痛くなる圧迫骨折…どうしてか?】
更新日:2020/05/23
今日は転んで尻もちを着いた際に起きやすい、脊椎圧迫骨折(以下、圧迫骨折)についてのお話です。
転んだ際に多い圧迫骨折…
転んだその日は痛くなかったのに、だんだん痛くなってきて整形外科を受診する方が多いようです。
これは、どうしてでしょうか?
その理由の一つとして、脊椎に分布する神経が考えられています。
背骨の表面を覆う膜(骨膜)には、神経が豊富に分布しています。
ですが、背骨の中身(海綿骨)には、神経の分布がほとんどないそうです。
このため、背骨の中身だけが潰れてしまうと、痛みを感じにくいと考えられています。
ちょうど、転んで尻もちを着いて、腰が痛くないのがこの状態です。
そこから、背骨がさらに潰れて、骨の形が変わるくらいまでになると痛みを自覚しやすいそうです。
背骨が潰れて痛みが強くなった時には、背骨の形が変わってしまっています(参考文献より図を引用)。
ポイントは、痛みを感じる神経まで、骨折が影響しているのか、そうでないのかということです。
尻もちを着いてから、だんだん背中や腰が痛くなってきた…
これは、受診の必要な圧迫骨折のサインかもしれません。
尻もちを着いた時は、痛みが弱まっていくのか、強まっていくのかが重要になります。
何かおかしいなと思ったら、訪問に来ているスタッフにぜひ相談して下さい。
参考文献:赤羽根良和:骨粗鬆症を原因とした脊椎圧迫骨折の病態理解と運動療法.株式会社gene.2017.
理学療法士 竹下 和良